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おもちゃセット「あそびのむし」で広がる笑顔の輪

2024.03.13
認定NPO法人 芸術と遊び創造協会

夢中でおもちゃと遊ぶ時間を

子どもにとって遊びは大切。時を忘れてわくわくと夢中になる時間、きょうだいや友達と楽しむコミュニケーションなど、遊びを通して子どもたちはさまざまなことを感じ、豊かな心や生きる力を育みます。

 「難病の子どもたちにおもちゃで遊ぶ経験をしてもらいたい」そんな思いで、東京おもちゃ美術館を運営する認定NPO法人 芸術と遊び創造協会と日本財団が共同で開発し2019年に全国の病院や施設などに寄贈されたおもちゃセットが「あそびのむし」です。その第二弾の「あそびのむし」が2023に全国の病院や施設計150か所に寄贈されました。この事業を担当した認定NPO法人芸術と遊び創造協会(東京おもちゃ美術館)の遠藤基子さんと雨宮七緒子さんに「あそびのむし」についてお話を聞きました。

 東京おもちゃ術館では、2016年から閉館日に美術館を貸切りにして、「スマイルデー」と題した、難病の子どもとその家族のためのオープンデイを開催してきました(日本財団TOOTH FAIRY助成)。参加者からは「重度の障害がある自分の子どもが遊べるとは思わなかった。遊び方を教えてもらうと、うちの子でも反応してくれることが分かった」「おもちゃ選びに失敗することが多く、これまでどんなおもちゃなら楽しめるのか分からなかった」といった親の声がありました。

 そうした声をきっかけに、東京おもちゃ美術館と日本財団が協働して、おもちゃセット「あそびのむし」を全国に寄贈するプロジェクトが始まりました。

 「あそびのむし」は、「時間を忘れて夢中になろう」「わくわくドキドキを育てよう」「わいわいみんなで遊ぼう」がコンセプト。大人も子どもも関係なく、「本のむし」のように大好きな遊びに時を忘れて夢中になれるひととき。そんな遊びの場面を思い浮かべてセレクトされたおもちゃたちです。

事前のヒアリング会では 実際に遊んでもらっておもちゃを選びました
「この子にはこんな補助をしたら遊びやすいね」など多くの意見が出ました

純粋に遊び、楽しんでほしい

おもちゃの数が少ない病院や福祉施設は多く、重度の障害児は遊べないだろうという決めつけがあったり、施設の環境によっては遊びの提供に差があるなど、難病の子どもの遊びに重きが置かれていないことも多いのが現状です。その状況を変えていきたい、少しでも多くの子どもたちのもとにおもちゃが届き、遊びの面白さを知ってほしいという思いが遠藤さんたちにはあります。

 2019年の第一弾は、関係者に幅広くヒアリングをしておもちゃを選定し、90か所のこども病院や児童発達支援・放課後等デイサービスなどを行う福祉施設に配布。今回の第二弾では、さらに多くの子どもたちのもとに行き渡るようにおもちゃコンサルタント、難病の子どもとその家族、通所施設、支援団体、医師、理学療法士などの参加を得て「配布先検討委員会」を設け、配布先を検討。病院や施設、150か所に配布し、全国の47都道府県を網羅することができました。

 おもちゃ選びについても内容を吟味し、利用者の声を大切にしたいと、施設や子どもとその家族にヒアリングを行い、その声をもとに第二弾では新たにオリジナルのおもちゃ5点を製作しました(※オリジナルおもちゃについては次回の記事で詳しくご紹介します)。

 また、第一弾の全てのおもちゃを再検討して、より遊びやすいものを選びました
たとえば、ストレッチャーに乗って横になっていても、下からも玉の動きがよく見えるようにと両面が透明になっているドラムに変更したり、首を大きく動かさなくてもの動きを見て追えるように幅の広いものから狭いものに変更するなど、横になっていても遊びやすいもの、身体が思うように動かせなくても、音や振動など五感を使って楽しむことができるものが揃っています。

(左)両面が透明になっているオーシャンドラム リズミカルに動く玉が面白いね
(右)カタカタと音を鳴らしながら車が走り落ちてくるクネクネバーン
首を大きく動かさなくても見やすいように幅の狭いものにしました

おもちゃの力、遊びの力を信じて

リハビリや療育を目的とせず、「純粋に遊び、楽しめること」を大切にしています。
病気のある子どもたちは同じ年齢の子どもがしているおもちゃ遊びの経験がほとんどできていないことが多いため、「経験値を0から1にするもの」を選定。さらに「五感で楽しめる、カラフルで触感の楽しいもの」もポイントです。そして、きょうだい児や友達、親、施設のスタッフなど「多くの人も一緒に楽しめるもの」、忙しい施設スタッフが合間の時間に遊び、片付けられる「大人が扱いやすいもの」ということも重要です。

お母さんたちからは「我が子がおもちゃで遊べるなんて思ってもみなかった」「普段あまり表情の変化がないのに、笑顔になって驚いた」「たくさんのおもちゃがあるので、我が子が楽しめると思えるおもちゃがあった」「初めておもちゃで遊ぶ姿を見ることができた」という喜びの声が寄せられます。

リハビリの時は歩こうとしなかった子どもが、足で踏むと音がでるマット型のおもちゃ「ドレミマット」で夢中になって遊んでいて、気が付くと1時間たっていたことも。

「このように子どもを夢中にできるのが、おもちゃの持つ力、遊びの力なのだなと感じています」と雨宮さんは言います。

(左)タングドラムの優しい響きを身体いっぱいに浴びようね
(右)足で踏むと音が出るドレミマットに夢中になって遊ぶ男の子

繋がりを大切にしていきたい

寄贈先を対象に3日間開催するオンライン研修会では、プロジェクトの意味やセットに含まれているおもちゃについて1つ1つ丁寧に紹介します。年間を通じて定期的に行うオンライン交流会では、遊びの研修を何度でも受けることができ、第一弾ではこれに参加して遊びの面白さに目覚めて数多く参加した人も。

「職員の方も楽しみにしてくれてよかったと思っています。もちろん子どもたちに楽しんでほしいのですが、まわりの大人が笑顔でなければと思うのです。あそびのむしを通して、病院や施設と新たな繋がりができたことも成果のひとつ。この繋がりをこれからも大切にしていきたい。ぜひ研修に参加してほしいと思います」と遠藤さん。

「おもちゃの配布はゴールではなく、ここからがスタートです。今後は現場の声を拾い、効果の検証もしていく予定です。おもちゃの大切さ、遊びの面白さに気づいてもらい、これからもオンラインで繋がり、全国にいるおもちゃコンサルタント(注1)とも連携していけたら。おもちゃや遊びを通して難病の子どもとその家族の孤独を解消し、インクルーシブな場作りの支援を続けていきたいです」。

「一般の方にもぜひあそびのむしに関わっていただき、難病の子どもたちのことを知り、より身近に感じてもらい、共生社会を一緒に作っていく仲間を増やしていけたらと思っています。この記事の読者のみなさんにも、全国のおもちゃ美術館に展示されているあそびのむしのおもちゃに触れて遊んでみてほしいです」と雨宮さんは話します。

全国の難病の子どもと家族のもとに届いた「あそびのむし」。みんながおもちゃに触れ、夢中になって遊ぶことで、笑顔の輪が大きく広がっていくことでしょう。

※次回は第二弾で新たに開発したオリジナルおもちゃをご紹介。製作者のみなさんに製作への思いや開発秘話をお聞きします。

1:おもちゃコンサルタント
おもちゃと遊びを幅広い視点で提供するおもちゃのプロフェッショナル。認定NPO法人 芸術と遊び創造協会が養成講座を開催し、6000人以上の取得者が全国で活躍しています。

https://artplaylab.jp/toy/consultant.html

東京おもちゃ美術館で開催された「あそびのむし」贈呈式
笑顔の輪が全国に広がっています

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