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みんなの命が輝くパフォーマンスを!

2024.08.09
特定非営利活動法人心魂プロジェクト

歌と踊りの力を信じて

難病の子どもたちとその家族に真剣に向き合いパフォーマンスをする団体がいます。その名は「心魂プロジェクト」。劇団四季や宝塚出身のプロの演者が2014年に立ち上げた団体です。病院や施設を訪問して、劇場に行くことが難しい難病の子どもとその家族に向けて歌や踊りなどの本格的なパフォーマンスを届ける活動を年間100回以上行っています。

 舞台にライトが当たり大好きな曲が流れ、舞台で繰り広げられる歌声とダンスにみんなの心が躍動します。美しい歌声に心が揺さぶられ、日頃なかなか言えない思いを代弁してくれたように感じて涙を流すお母さんも。

 「この瞬間にも、今を命がけで生きている子どもたちがいます。長期入院する子どもたち、自宅療養をする子どもとその家族にひと時の心の安らぎ、かけがえのない思い出を作ってほしい。心と心で繋がり、魂が喜ぶパフォーマンスを届けたいのです」と共同代表の寺田真実さんは話します。

 「会場には子どもがいつどうなるか分からない病気と闘っている親御さんや、我が子がすでに天に還られたお母さんがいます。生死をかけて心魂プロジェクトのパフォーマンスを観に来てくれているのです。心と心でぶつかって『大変な思いをしているけれど、本当によく頑張っているね』と、そうしたことを感じながら舞台に立っています」。

 「我々のオンラインパフォーマンスを観た数日後に、あるお子さんが天に還られました。その子がパフォーマンスで聴いた歌を口ずさんでいたこと、それが人生の最後に口ずさんだ歌だったことをお母さんが教えてくれました。家族のみなさんにとっては出来事の1つ1つがかけがえのない大切な思い出になっています。この1つに心魂プロジェクトがなれたら」。

 そんな思いを胸に、歌と踊りの力を信じ、みんなの命が輝くとびきりの時間を届けています。

家族で一緒に観る舞台は心が動き、魂が喜ぶ特別な時間 (※写真のご家族は、上記の本文でご紹介しているお子様ではありません)

 

誰かの役に立って生きている

障害児や病気の子どもたちも「心魂キッズ団」としてパフォーマンスに参加しています。こども病院や企業のイベント、ご縁のある学校に呼ばれて心魂プロジェクトのメンバーの歌に合わせて踊りを披露。表現したい気持ちが溢れるその姿は感動を呼んでいます。

 キッズ団には誰もがすぐに参加できるわけではなく、「何のために、誰のためにやるのか?」が心魂プロジェクトが目指すものと同じ所にあるかがポイントとなります。
参加した後も歌のソロ配信を行うためにはレッスンやオーディションを経て、自分の力で出演をつかみとる成功体験を重ねます。例えば歌は、ミュージカル「美女と野獣」でポット夫人を演じていたメンバーが歌のレッスンを行い、オンラインの限定公開ができるレベルまで引き上げ、それがうまくいくと、一般公開の部屋にデビューします。また、キッズ団の契約は1年更新で必ず毎年度末に「何のために、誰のためにやるのか?」と、意志の確認の積み重ねをします。

 「自分が誰かのハッピーを生み出す。それが生きている実感になります。『もらう』ばかりでは得られない『誰かの役に立っている、生きている』という実感が持てるのです。自分のパフォーマンスが病気や障害と闘っている人たちの勇気になったり元気や癒しになったり…喜んでくれている姿を見て、幸せになるのは自分なのです」。

君のパフォーマンスはみんなの勇気やパワーになっているよ!

工夫を凝らした地方公演

 2023年度から対面での地方公演を再開し、全国4か所を訪れ、5回ずつ計20回の公演をしました。心魂プロジェクトが病児、障害児、きょうだい児、家族と共に生み出してきた世界を舞台化したオリジナルミュージカル 『OUR STORY』を上演。会場によっては、「感染症にシビアな子どもたち」「知的・発達障害のある子どもたち」「一般公演」と、対象者を分けることにより、それぞれがより安心して鑑賞できるようにしました。

 キッズ団のメンバーが在住する地域で公演する場合は、ミュージカル上演後にキッズ団メンバーが出演。手話や視線入力装置などを使って自分たちの表現をしました。子どもが生き生きとパフォーマンスをする場を目の当たりにすることで、様々な表現方法があるということや、パフォーマンスそのものをより身近に感じてもらうことができました。

 コロナ渦を契機にオンライン配信も積極的に開催しています。
オンライン配信の良いところは、全国どこからでも参加できるということ。感染症がシビアなため自由に外出をすることができない子どもも、オンライン配信なら自宅からミュージカルに参加することができます。
見る側も全国各地から、病院から参加でき、同じ立場の障害がある人が出演する姿を見て勇気と希望をもらい、その中から「自分もキッズ団に入りたい」という声も出てきます。

公演をオンラインで届けるオンラインデリバリー配信の一幕。
心と心が繋がって、みんなの笑顔が弾けます

きょうだい児の経験を増やしたい

 病気や障害のある子どもの傍らで、複雑な思いを抱えて生きている「きょうだい児」が輝くための活動にも力を入れています。

 宮城県からきょうだい児の高校生の女の子を招いてパフォーマンスのワークショップをした際に横浜の海の見えるレストランを訪れたところ、「初めて海を見た」とその子が話しました。

 「きょうだい児は経験が極端に少なく、我慢をすることがとても多いのです。表に出せない思いを歌と踊りで表現する場を提供したい」と寺田さん。

 オンライン配信を観た愛媛県に住むきょうだい児からキッズ団に入りたいと連絡があり、宮城県の女の子と共に葉山での合宿に招いてワークショップを開催。そこで心魂シブリングパフォーマー(きょうだい児のパフォーマー)の紹介ビデオを作り、全国のきょうだい児に向けたメッセージを送りました。

 参加を希望するきょうだい児が集まり歌と踊りのレッスンを重ねて、20243月にはイベント「ワクワクつながる祭典」の大舞台に立ち、歌と踊りを見事にやりきりました。イベントの終盤に心魂プロジェクトのメンバーが歌う、バンクバンドの「よく来たね。大変だったんじゃない?」と語りかける曲に子どもたちは涙を流しました。

 11日を精一杯に生きる」「選択肢を増やす」が心魂プロジェクトがいま特に大切にしていることです。

 「テーマパークや旅行にいくなど、子ども達はやりたいことがあっても命の危険があるためにできないことがたくさんあります。『いきたいところにいく』『やりたいことをやる』という選択肢や体験を少しでも増やしたい。人生の豊かさは選べるということだと思うんですよね」と寺田さんは訴えます。そのためにも心魂プロジェクトは活動の幅を広げています。

 「対面の公演はもちろん、オンライン公演もぜひご覧になってください。これまでのご支援にも感謝の気持ちでいっぱいなのですが、まだまだ資金不足なのが実情です。本物だなと思ったらバックアップしていただきたい。命がけで生きている子どもたちのために自分のお金が価値あることに使われたと思っていただけるよう活動を邁進させて参ります」。

 ▼心魂プロジェクトのイベント・公演情報
https://www.cocorodama.com/event/ (外部サイト) 

きょうだい児の熱い思いが伝わるパフォーマンスに大きな拍手が沸き起こりました
    • 特定非営利活動法人心魂プロジェクト

    ●団体情報はこちら(CANPAN団体DB

    • ●2023年度日本財団支援事業
    • 難病児とその家族等に対してのオンラインおよび対面パフォーマンスの実施

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