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幸せって何だろう? 病児とその家族に寄り添い続ける

2021.12.23
公益社団法人難病の子どもとその家族へ夢を

家族と大切な思い出作り

「公益社団法人難病の子どもとその家族へ夢を(以下、Hope&Wish)」は、難病の子どもとその家族に、家族旅行のプログラム「ウィッシュ・バケーション」の提供や病院や自宅での「ホームパーティープログラム」を開催、子どもと家族と社会をつなげ、家族同士のネットワーク作りをしてきました。

人も社会もコロナに翻弄されたこの2年。入院している子どもたちも家族との面会は制限され、きょうだい児は面会できないなど家族揃って会うことは叶いません。 ターミナル期の子どもと家族にとってはすべてが時間との闘いです。Hope&Wishでは、大切な時間を一緒に過ごして思い出を作りたいという家族からの必死の要望に応えて、病院から一時退院を許された自宅や公園などの屋外で、万全の対策をしたうえでそれぞれの要望や症状に合わせたオーダーメイドの「ホームパーティープログラム」を行っています。

ボランティアと共にご家庭を訪問し、部屋や会場をきれいに飾りつけしてご馳走を揃え、記念写真の撮影や似顔絵をプレゼント。家族と準備をする過程や時間も大切にしています。オンラインで祖父母にも参加してもらう新しい取り組みも行いました。

髪をスタッフに洗ってもらい、ベッドの上でお兄ちゃんにドライヤーでかわかしてもらって笑顔を見せる女の子。公園でほんのひととき、病気を忘れて思いきり駆けっこやフリスビーに夢中になって遊ぶ小学校1年生の男の子も。

病児の状態に合わせたホームパーティープログラムは子どもに一生の思い出と最期まで生き抜く力を届けます。これは親、きょうだいにとっても、心に残る大切な時間になっています。

男の子の希望を叶えようと、
自然を感じられるグランピングを家族で楽しみました

人生を変えちゃうほどのワクワク体験

コロナ渦により「ウィッシュ・バケーション」は活動が制限される時期が続きましたが、万全の対策をして活動を再開し、キャンプや家族旅行などを全国で開催しています。

外で他の子どもと遊ぶことができなかった心臓疾患で24時間酸素を必要とする男の子。生まれて初めてスキーを体験することで、「自分はこんなこともできるんだ」と自信が生まれ、それからは積極的に動けるようになったといいます。外で他の子どもと遊び、学校でも活発に発言ができるようになったと、お母さんは涙を流しながら話をしてくれました。ワクワクするチャレンジがその子の人生にとって、大きな変化のきっかけになったのです。

病気や環境などのせいで孤立しがちな子どもとその家族が、活動を通して社会で生きていく勇気と希望をもち、前向きになっていきます。

また、支援者や受け入れてくれる地域の人たちと触れ合うことで、「自分は一人ではない」「わかってくれる人たちがいる」という実感を得てそれが心の支えになることも。

理事の柴田礼子さんは、これまでの活動で寄り添うことの大切さを教わったといいます。当事者でない自分にはわからないことも多いのではと悩んだこともありました。そんな時に「わかることは難しくても、わかろうとしてくれることが大事だと思います」というあるお母さんの言葉に勇気をもらい、思いを寄せ続ける、それでいいのだということに気づかせてもらいました。

医療従事者や企業からのボランティアなど、家族に関わる人たちは準備の過程や活動を通じて命への畏敬の念を持ち、自身の命の大切さを感じ、真の共生社会とはどういうものかを考えるきっかけとなっています。

「ウィッシュ・バケーション」のひとコマ。
念願のスキー!この体験が大きな自信につながります

心のバリアフリーを育てたい

20203月に日本財団の助成を受けて活動のハブ拠点となるHope&Wishバケーションハウス「青と碧と白と沖縄」を沖縄に開所しました。難病の子どもとその家族が沖縄の自然を感じながらゆったりと過ごすことのできる宿泊施設です。オンラインバケーションと題して春から数回実施した施設やスタッフの紹介、親の体験談などは大変好評でした。父親が中心になっているオンライン交流会がきっかけで、「自分にも家の手伝いや薬の勉強などやれることがもっとあるな」といった気づきが生まれるなど、よい刺激も生まれています。

地域の人や他団体などとの横の関係性作りには、開所前の1年間に地元で日本財団のサポートも受けて開催したセミナーや研修をしたことがとても役立ったと言います。近所の牧場で行った子どもたちの乗馬体験・ホースセラピーでは米軍の妻たちの団体がボランティアで参加してくれたり、近所の方が野菜をもってきてくれるなど笑顔の循環が生まれる関係性が育まれています。

実は施設内にはあえてバリアフリーにしていない箇所があります。バリアフリーになっていなかったとしても人が手を差し伸べて手助けをする「心のバリアフリー」を育てること。「物の整備は大事ですが、それ以上に人の意識の改革が大事」と柴田さん。

「困った時には自然に手を差し伸べてもらえたら嬉しいし、もし相手が困っていたら自分も手助けをしたい」。そんな家族の思いを大切にしています。

活動から11年目を迎え、成長した子どもが看護師になり活動にも参加。母親が体験談を話す語り部として沖縄で活動をする話も進んでいます。 つい最近、きょうだい児が貯金箱に小銭を集めて寄付を送ってくれたことも。「涙がでるほど嬉しかった」と柴田さんは話してくれました。

「命とは何か、幸せとは何か、どう生きていくか」。その答えを求めて続けて、Hope&Wishはこれからも子どもとその家族に寄り添い続け、新たな挑戦をしていきます。

美しい青い空、海、風を感じながら特別な家族の時間を過ごします

●公益社団法人難病の子どもとその家族へ夢を
 団体情報はこちらCANPAN 団体DBへ)

●2020年度日本財団支援事業(TOOTH FAIRY
難病の子どもと家族のファミリーレスパイト

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