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繋いだビーズはがんと闘った勇気の証

2018.07.30
特定非営利活動法人シャイン・オン・キッズ

小児がんの子どもを応援するプログラム

毎年2000〜2500人の子どもが診断される小児がん。医学の進歩によって70%以上が治るようになっていますが、その闘病はとても厳しいものです。がん自体の症状だけでなく、検査の多くにも痛みを伴い、治療には重い副作用があります。それは、貧血や吐き気といった慢性的な症状から、髪の毛が全て抜けてしまうといった精神的につらい出来事も。数ヶ月から数年間入退院を繰り返し、治療を乗り越える毎日。それでも、自分の命を守るためには勇気を出すしかありません。

そんな小児がんなどの重い病気と闘う子どもと家族を勇気づけ、医療環境改善への啓発活動を行なっているのが特定非営利活動法人シャイン・オン!キッズ(以下、シャイン・オン!キッズ)。活動の1つとして、闘病中の子どもたちが、受けた治療、乗り越えた症状の数のビーズを集め、一本のチェーンとして繋いでいくプログラム「ビーズ・オブ・カレッジ®(勇気のビーズ)」に取り組んでいます。

頑張った1つの足跡に1つのビーズを

「ビーズ・オブ・カレッジ®」は、アメリカの小児がん病棟で働いていた看護師により考案されたプログラムで、欧米やオセアニアの8カ国260以上の小児医療機関で実施されているものを、シャイン・オン!キッズが日本に初めて導入しました。

プログラムへの参加を決めた子どもたちは、各病院にいる「ビーズ大使」からビーズを通す長いひもを受け取ります。そこに自分の名前のアルファベットのビーズを通したら、ビーズの旅のはじまり。子どもたちは、ひもといっしょに渡された「ビーズ日記」に受けた処置や症状を毎日チェックしていき、週に1回ほどの割合で、ビーズ大使と共に日記の内容を振り返りながらビーズをもらって繋いでいきます。

ビーズ大使は、ビーズ・オブ・カレッジ®の研修を受けた看護師や心理士、保育士、医師などで、子どもたちの旅の伴走者のような存在。子どもたちの言葉を受け止め、ケースの中からビーズを渡す役割を持ちます。
 

ビーズ大使といっしょに、自分の足跡を振り返りながらビーズを通していきます。

つらさや思いを言葉にすることで、心の中が整理できます

つらい治療を自分の力で乗り越える

受け取るビーズは出来事によって色が決まっていて、入院は黄色いビーズ、点滴は紫、骨髄液を採取する検査はベージュ…。それから、薬の勉強をした日や髪の毛が抜けてしまった日、食事が食べられるようになった日、また、誕生日や学校に行けた日のこともビーズ大使と語り合いながら、それぞれのビーズを繋いで心に刻んでいきます。ビーズの種類は全部で40種類以上もあり、小児がんの平均的な闘病では、1人につき約900個ものビーズを集めるといいます。

シャイン・オン!キッズ広報の橋爪浩子さんは語ります。
「乗り越えた治療や症状を形あるものとして手に入れることで、子どもたちはその経験を振り返って心に刻み、自分の力で乗り越えたことを誇りに思えるようになります。こんなにがんばったのだからもう少しがんばろうと思えたり、また、治った後も闘病経験を肯定的に捉え、自信を持って人生を前に進める力にできるのです」

治療の過程でビーズはこんなに長くなっていきます。

この長さやビーズの1粒1粒ががんばった証です

知らない誰かとパワーの交換!

闘病のなかで、辛い出来事を乗り越えたときにもらえるビーズが「がんばったねビーズ」。全国のトンボ玉作家から寄付されたもので、1つ1つ異なる模様が施された手作りビーズです。また、闘病中に1回、1人では乗り越えられないほどの大きな大きな勇気が必要な時、誰かのパワーをもらいたい時には、会ったことのないサポーターから届けられた特別なビーズ「チーム・ビーズ・オブ・カレッジ」が贈られます。

 

シャイン・オン!キッズのサポーターであるマイクさんは、マラソンフリーク。休みの度に世界中のマラソン大会に出場しています。レースの時は、いつも2つのビーズをあしらったブレスレットを身につけているマイクさん。実は、これが「チーム・ビーズ・オブ・カレッジ」。シャイン・オン!キッズからマラソンの度にこのブレスレットを取り寄せ、マラソン完走を達成したら、1つのビーズは自分の手元に残して、もう1つに闘病中の子どもに向けたメッセージを記したカードを添えシャイン・オン!キッズに送り返します。そこから闘病中の子どもの元に届けられるのです。

2粒のビーズを身につけて自分の挑戦にチャレンジ! 

子どもと家族の闘病を支える知らない誰かの応援

サポーターの挑戦は、マラソンや自転車、トライアスロンのレースやコンテスト、大きな資格試験などさまざま。このプログラムでは、ビーズとメッセージのやり取りを通して闘病中の子どもに1人ではないことを伝え、お互いのパワーを交換し合います。

「社会と離れた場所で病気と闘う子どもと、それを支える家族は、大きな孤独を感じています。知らない誰かが一緒に闘ってくれていること、応援してくれていることを知ることは、大きな力になるのです」と橋爪さん。

長く繋いだビーズは、闘ってきた勇気の証として子どもたちの人生を支えます。亡くなってしまったときも、形見となったビーズは、子どもたちが力強く生きた証として家族を勇気づけます。たくさんの人の願いが込められた小さなビーズが、子どもたちの大きな勇気を讃え、その命を輝かせているのです。

「チーム・ビーズ・オブ・カレッジ」のメッセージ付きビーズを

医療機関のビーズ大使に贈呈

・特定非営利活動法人シャイン・オン・キッズ

 団体情報はこちら(CANPAN 団体DBへ)

・ 2017年度 日本財団支援事業

 入院中の子どもたちにビーズを届ける活動(Tooth Fairy)

おもに小児がんで闘病中の子どもに向けて、治療に前向きに取り組むためのプログラム「ビーズ・オブ・カレッジ®(勇気のビーズ)」を全国18医療機関で250人に実施。また、ビーズプログラムに携わる医療機関のスタッフ(ビーズ大使)研修を全国で18回と、ビーズ大使のスキルアップのための「ビーズ大使研修会」を実施。

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